FP技能士1級合格勉強会ブログ

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FP1級通信添削.26の解答解説:後期高齢者医療制度と介護休業給付金に関する問題

先週の、FP1級通信添削の解答・解説をお届けします。

1級試験が近いこともあり、過去問をもとにした問題を出題中です。

 

それでは本日は、先週の問題を解説していきます。

2問配信しましたが、1問ずつ皆様から頂いた答えを見ていきましょう。

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 2017年9月実施の1級学科試験をアレンジしたオリジナル問題

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問題1:

後期高齢者医療制度の保険料のうち、所得割額は、どのような計算式で算出されているかを答えなさい。

■お送りいただいた解答

所得割額は,【(①総所得金額等)-(基礎控除の33万円)}×(②所得割率)】で計算されます。

まず,①総所得金額等は,年金収入の方は年金収入-公的年金控除で,給与所得者の方は給与収入-給与所得控除で計算されます。

次に,②所得割率は,広域連合ごとによって異なり,例えば東京都の場合,平成30・31年度は8.80%とされています。

所得割額の軽減措置については,国の軽減措置は平成30年から廃止になってしまいましたが,自治体ごとの独自の軽減措置があり,例えば東京都の場合,被保険者本人の所得金額から基礎控除33万円を差し引いた額が,15万円までは所得割額50%軽減,20万円までは所得割額25%軽減となります。

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回答ありがとうございます。

若い世代の方は、後期高齢者医療制度の保険料計算式まで、なかなか理解していないものです。

でもFP1級を目指す人なら、ぜひ知っておいてほしいところです。

お送りいただいたとおりの計算式で合っています。ポイントは、

・総所得金額等 が計算のベースとなっていること

基礎控除33万円があること

・所得割の料率は、都道府県ごとに異なっていること

ですね。

ですから、所得の金額が33万円以下の場合には、所得割額は0円ということになります。

所得割額の軽減措置については、たびたび試験でも出題されていましたね。

でも現在は、国の制度としては所得割額の軽減措置はなくなっています。

お書きいただいたように、都道府県によっては独自に軽減措置を設けている場合があります。

それでは、もう一人の方の解答をご紹介します。

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■お送りいただいた解答

(所得割額)={(総所得金額等)-(基礎控除の33万円)}×(所得割率)

所得割率は広域連合によって異なります。

総所得金額等とは、「年金収入-公的年金控除」、「給与収入-給与所得控除」、「事業収入-必要経費」等で各種所得控除前の金額です。また、退職所得以外の分離課税の所得金額(土地・建物や株式等の譲渡所得などで特別控除後の額)も総所得金額等に含まれます。

総所得金額等が33万円以下の場合は、所得割額は0円となります。

所得割額の軽減があり、

所得割額の賦課対象者のうち、所得割額算定にかかる「賦課のもととなる所得金額{(総所得金額等)-(基礎控除の33万円)の部分}」が58万円以下(年金収入のみの場合は、その収入が211万円以下)の方については、所得割額が一律5割軽減されます。

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ご回答ありがとうございます。

こちらの解答では「総所得金額等」についてのもう少し詳しい解説をしていただいていますね。

総合課税での損益通算後の所得に加え、分離課税側の所得も加算された概念が「総所得金額等」になります。分離課税の所得も加算と言いつつも、退職所得は対象外である点にも注意してくださいね。

後半に書いていただいた所得割額の5割軽減については、現在は廃止されています。

これは古い説明である点を、ご認識くださいね。

社会保険の保険料に関する改正は、FPとして活動している方もあまり知らないですし、大きく報道もされません。

こういった情報は、自分がお住まいの市町村、都道府県のサイトで情報開示されています。一度、お住まいの自治体のサイトをくまなく見て、社会保険の学習をするのがよいですね。

それでは、次の問題にうつりましょう。

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問題2:

雇用保険における介護休業給付金の支給対象となる、介護休業の対象家族の範囲について、説明しなさい。

(誰を介護しているときに、この休業給付金を受け取れるのか、の説明)

■お送りいただいた解答

対象者は,被保険者の,

1 配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)

2 父母(養父母を含む)

3 子(養子を含む)

4 配偶者の父母(養父母を含む)

5 祖父母

6 兄弟姉妹

7 孫

となります。

養親子関係にある者,事実婚にある者や,配偶者の直系尊属まで含む点が注意かと思います。

■お送りいただいた解答

配偶者、父母(養父母を含む)、子(養子を含む)、配偶者の父母(養父母を含む)。祖父母、兄弟、姉妹、孫は、被保険者と同居し、かつ、被保険者が扶養していることが条件となります。

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お二人の解答をご紹介しましたが、どうもありがとうございます。

一人目の方の解答が、正しい内容になります。

このように細かく介護の対象者について定められている点を知っておきましょう。

二人目の方の解答にある同居要件と扶養要件は、昔はありましたが現在はありませんので、その記述部分は誤りということになります。

少し古い情報を参照されたのだと思いますが、やはり最新の情報をつかんでおくことが欠かせませんのでご注意くださいね。

ちなみに、介護休業給付に関するさらに細かい制度内容について、下記の厚生労働省のページに記載があります。

余裕のある方は、この内容も理解しておいてください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158665.html

 

以上が、解答&解説となります。

いつものアドバイスではありますが、上記の内容はしっかりと暗記しておき、試験で出題されても回答できるようにしておきましょう。

過去にも出題された内容ですから、失点してしまうともったいないです。

今回の配信を、読み物として読み流さないように、意識してくださいね。

 

次回の問題は明日に配信いたしますので、お楽しみに!

 

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  今後の勉強会の開催予定

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・11月中旬予定 難関FP1級学科を乗り越えるための合格ガイダンス会

・12月末頃予定 FP技能士1級学科 頻出重要ポイント対策勉強会

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