「過去問を繰り返せば、1級学科は合格できますか」という質問への答え
1級受験に関する質問を一ついただきましたので、ご紹介したいと思います。
ご質問は、「1級学科は、過去問をしっかり繰り返せば合格できますか」という内容です。
書店で売られている問題集のほとんどは、実質的に過去問解説のような内容になっていることから、このようなご質問をいただきました。
以下では、1級学科試験に関する内容に限定して話を進めていきます。
「過去問をしっかり繰り返せば合格できますか」に対する私の答えは、「過去問をしっかり繰り返しても、不合格になる可能性は十分にある」です。
1級学科受験者の方には厳しい回答ですが・・・でも本心で私はこう思っています。
1級学科の合格率やおよそ10%です。
多くの受験者は、テキストを読み、そのうえで過去問を何度も繰り返し解いたうえで、本番試験に臨まれています。
満点は200点。合格ラインは6割である120点です。
徹底的に問題を繰り返し解いたことで、かなり自信がついた方であっても、試験結果は110点あたりになることが多いのです。
悔しくて、2度、3度試験にチャレンジしても、なかなか120点の壁を越えられない、過去問を徹底的にやっているのになぜ??
こういう思いの受験者も、多くいらっしゃいます。
なぜ問題集だけでダメなのかというと、1級学科は過去と同じ問題が出にくいからなのです。
試験範囲は膨大に広く、知らない世界からの出題は頻繁にあります。
さらに新しい法改正・各種制度改正も積極的に出題されるので、過去の問題ばかりにとらわれていることが、そもそも受験者の姿勢として望ましくはないと私は考えています。
なので、「過去問を繰り返し解く」ことは最低限必要ですが、それに加えて、次の学習も取り入れるべきです。
・過去問で出題された問題だけでなく、その問題の周辺知識をも網羅的に学ぶため、専門書などで体系的な知識を得ておく
・最新の制度改正を先行して入手するため、新聞を読む、FP向け・金融機関職員向け・税理士向けの専門誌を定期購読する
質問された方は、どの問題集も過去問解説形式だから、きっと過去問を繰り返せば合格できるのだろう、と考えていらっしゃたのかもしれません。
でも残念ながらそうではないので、過去問にとらわれることなく学びの範囲を広げましょう、が私からのメッセージです。
今回の回答は以上となりますが、FP技能士1級合格勉強会の公式サイトにも、学習法についてたくさん解説をしています。
ぜひこちらもご覧ください。
http://money-study.net/1fp/exam/
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