FP1級通信添削.21の解答解説:貸借対照表での「投資その他の資産」に関する問題
先週の、FP1級通信添削の解答・解説をお届けします。
今後しばらくは、前回5月に行われたFP技能士3級と2級の試験問題から、1級受験者向けにアレンジして出題していきます。
皆様から頂いた解答をご紹介しながら、私からも解説をお伝えしますね。
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2018年5月実施 FP技能士2級 学科 問10を改題
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貸借対照表での「投資その他の資産」という項目がありますが、この項目はどのような金額が計上される項目なのか、簡単に説明してください。
■お送りいただいた解答
「投資その他の資産」は、貸借対照表上の固定資産の一つです。有形固定資産、
無形固定資産のどちらでもない長期保有目的の資産が該当します。
以下は「投資その他の資産」に該当するものの例です。
・子会社等の株式
・短期的な売買目的ではない投資有価証券
・貸付金、前払金のうち期限が1年を超えるもの
・建物賃貸契約時に差し入れた敷金などの差入保証金
■お送りいただいた解答
投資その他の資産は、貸借対照表(B/S)において、固定資産の一つで、「有形固定資産」と「無形固定資産」以外のものを表示する項目をいいます。
これは、大きく分けて、他の企業への資本参加を目的とする投資、長期の資産運用(利殖)を目的とする投資、その他の長期の資産の3つがあります。
・他の企業への資本参加を目的とする投資
子会社株式、子会社出資金、子会社長期貸付金、関係会社株式、関連会社株式、関係法人株式など。
・長期の資産運用(利殖)を目的とする投資
長期預金、投資有価証券、長期貸付金、投資不動産など。
・その他の長期の資産
長期前払費用、長期預け金、保険積立金、繰延税金資産、差入保証金、貸倒引当金など。
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お二人の解答を掲載させていただきました。
解答ありがとうございます。
ご記入いただいた内容で、あっていますね。
1級を受験される方は、財務諸表にも慣れ親しんでいただきたいと思います。
特に応用編では、金融資産運用と税金の分野で貸借対照表を扱う問題が出題されやすいですから。
過去に出題されたところだけを勉強しても、話がつながらず断片的な理解しかできません。
貸借対照表の全体観をとらえるよう、学習を深めてくださいね。
今回取り上げた「投資その他の資産」は、固定資産の内訳項目の一つです。
貸借対照表上の固定資産は、次の3つの項目から成り立っています。
・有形固定資産
・無形固定資産
・投資その他の資産
有形固定資産とは、土地や建物、機械設備など、その名の通り形が有る資産です。
無形固定資産とは、その逆で形のないものですが、無形固定資産とされるものの種類が決まっており、特許権・商標権などの知的財産権、借地権や営業権、ソフトウェアなどが該当します。
投資その他の資産とは、有形固定資産でも無形固定資産でもない固定資産が該当します。
その種類は、解答していただいた上記のものになります。
皆さんも、ざっと眺めて、どのようなものがあるかを覚えておいてくださいね。
ちなみに、保険分野の問題でよく見かける「資産計上した保険料」も、実はこの「投資その他の資産」に計上されることになっています。
保険分野ともつながっているお話だということも、知っておいてくださいね。
今週は勉強会の運営のほうでちょっと手が回らず、今のタイミングで解答解説を配信いたしました。
いただいた一言コメントは、改めてご紹介させていただきますね。
次の問題は、来週に配信いたしますので、お楽しみに!
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今後の勉強会の開催予定
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