FP技能士1級合格勉強会ブログ

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FP1級通信添削.23の解答解説:特別の定めのある相続税評価に関する問題 続き

みなさま、こんにちは。

FP技能士1級合格勉強会運営スタッフ(公式サイト管理人)の佐藤です。

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先週の、FP1級通信添削の解答・解説をお届けします。

ここ最近は、前回5月に行われたFP技能士3級と2級の試験問題から、1級受験者向けにアレンジして出題していきます。

本日は、前回の途中だった問題の解説を続けます。

皆様から頂いた解答をご紹介しながら、私からも解説をお伝えしますね。

今回は難易度が高い問題でしたが、お二人の方から回答をいただきましたので、ご紹介していきます。

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 2018年5月実施 FP技能士2級 学科 問57を改題

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問題3:

特別の定めがあるとされる「給付事由が発生していない定期金」について、その評価方法または算式を答えなさい

※「給付事由が発生していない定期金」とは、それに該当する生命保険や個人年金に限定して解答してよい。

■お送りいただいた解答

相続税法25条によれば, 同24条とは異なり定期金の種類によって算定方法が異なるものではなく,

次に掲げる金額のうちいずれか多い金額とされています。

(1) 定期金給付契約に関する権利を取得した時においてその契約を解約するとしたならば支払われるべき解約返戻金の金額

(2) 定期金に代えて一時金の給付を受けることができる場合には、定期金給付契約に関する権利を取得した時において一時金の給付を受けるとしたならば給付されるべき一時金の金額

(3) 定期金給付契約に関する権利を取得した時におけるその目的とされた者に係る余命年数に応じ、その契約に基づき給付を受けるべき金額の一年当たりの平均額に、その契約に係る予定利率による複利年金現価率を乗じて得た金額

■お送りいただいた解答

(解約返戻金を支払う定めのあるものは)

・解約返戻金

(解約返戻金を支払う定めのないものは)

<掛金又は保険料が一時払いの場合>

・経過期間につき、掛金又は保険料の払込金額に対し、予定利率の複利による計算をして得た元利合計額に、0.9を乗じた金額

<掛金又は保険料が一時払い以外の場合>

・経過期間に払い込まれた掛金又は保険料の金額の一年当たりの平均額に、経過期間に応じる予定利率による複利年金終価率を乗じて得た金額に、0.9を乗じた金額

複利年金終価率=<(1+r)のN乗-1>/r

「r」=定期金給付契約に係る予定利率

「n」=給付期間の年数

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━

お二人とも回答いただきありがとうございました。

私から、補足で説明していきます。

問題にある「給付事由が発生していない定期金」ですが、ざっくり言えば「まだ支払が開始されていない個人年金保険」と考えてください。

これ以外に該当するものは、現実にほとんどないでしょう。

今回お二人の方に回答をいただきましたが、法律上の説明で正しいのは、お二人目の方の解答です。

先日解説した「給付事由が発生して<いる>定期金」とは、評価ルールが異なる点に注意してください。

解約返戻金の定めがあれば、解約返戻金が優先して支払われるのが、「給付事由が発生して<いない>定期金」の評価ルールとなっているのです。

今回お出しした問題には、注釈として「それに該当する生命保険や個人年金に限定して解答してよい」と書きました。生命保険や個人年金は、解約返戻金を定めていますので、この問題の答えは単に「解約返戻金」と答えてしまってよいです。

解約返戻金の支払いに関する定めがない場合は、お二人目の解答にあるような規定になっています。0.9を掛け算する数式になっている点に注意してくださいね。

今回の問題は、かなり細かい点を突いた問題でしたけれども、相続税評価額についてこのような規定があるということも、知っておいてくださいね。

ちなみに、給付事由が発生している定期金と、給付事由が発生していない定期金の評価額を計算できるページが、国税庁のサイトにあります。下記URLをご紹介しますので、参考にしてください。

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/nofu-shomei/teikikin/teikikin_menu.html

また、今回の問題の解答で登場した「複利年金現価率」は、定期借地権の評価計算でも使われます。

ついでにお時間がありましたら、定期借地権の評価ルールも合わせて勉強してみて下さいね。

今回の解説は、以上となります。

2回に分けてちょっと長い解説になってしまいましたが、1級を受験される方はこの機会に覚えておいてくださいね。

この解説を読んで理解することも大事ですし、自分で調べて知識を得ることも大事です。

でも一番大切なのは、試験当日に記憶できていて、問題が出題されたときにはバッチリ答えられる状況になっていることです。

(口で言うのは簡単だけれども、実現に苦労を伴います・・・)

そのためには、繰り返しの学習が必要だということを忘れずに、日々の学習を続けていってくださいね。

 

次の問題は、明日に配信いたしますので、お楽しみに!

 

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