FP1級通信添削.30の解答解説:事業税の損金算入時期についての問題
先週の、FP1級通信添削の解答・解説をお届けします。
ただいま、前回2018年9月のFP3級・2級を1級向けに改題して出題しています。
今回のお題の問題と、皆さんからいただいた解答をご紹介します。
今回の問題でみなさんからいただいた回答は、多少の言葉の違いはあっても、すべて同じ解答でした。
ですので、その中から一番詳しい言葉で書けていた方の解答をご紹介します。
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2018年9月 FP技能士2級 学科 問37を改題
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( )に当てはまる言葉を埋めて、文章を完成させなさい。
法人税の損金の額に算入される租税公課のうち、事業税については、原則として( 当該事業税に係る納税申告書を提出した日の属する事業年度 )の損金の額に算入することができる。
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皆さん、解答ありがとうございました!
この解答で正解ですね。
要するに、申告書を提出した事業年度(=納税をした事業年度)で、損金算入できるというわけです。
これを言い換えると、申告書を今期に提出したとしたら、前事業年度の決算から計算された事業税も、前々事業年度の事業税も、それ以前の事業年度での事業税も、すべて今期に損金算入する、というわけです。
ですから、事業税の損金算入時期は、「いつ申告書を提出したか」で判断するのです。
また別の切り口で説明をします。
期中の中間申告において、その申告書を期中に提出したら、その事業年度において損金算入をすることになります。
ですから、事業税の損金算入時期は「必ず翌事業年度である」というわけでもありません。
あくまでも申告書の提出時期によるのだという点を、理解しておきましょう。
FP1級学科の応用編では、以上の内容に加えて「納税充当金」の概念も理解しているかを問われます。
納税充当金は、決算によって計算された、事業税や法人税などの見積額であり、まだ未払いの状態の金額です。
経理上はこの金額を費用にしてもよいのですが、まだ申告書を提出していない段階なので、税額を損金算入することはできません。
したがって、納税充当金は別表4によって「加算」を行い、損金不算入の取り扱いをするわけです。
そして前期の決算に基づいて今期に事業税を支払ったなら、これは損金算入できます。
経理上は前事業年度で費用処理されていますので、今期において費用処理はできず損金算入だけを行うことになるため、別表4で「減算」を行うわけです。
このように、事業税の取り扱いは、費用処理するタイミングと損金算入をするタイミングが決算期をまたぎます。
以上の理屈をわかったうえで法人税の計算ができるかどうかを、応用編の問題で試されているわけなのです。
ちょっと難しい話でしたが、ご理解いただけましたでしょうか・・・
この内容は、来年1月に開催を予定している「FP1級学科 頻出重要ポイント対策勉強会」でも、模擬問題を使って説明していきますので、学びを深めたい方はご参加くださいね。
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以上が、解答&解説となります。
上記の内容はしっかりと暗記しておき、試験で出題されても回答できるようにしておきましょう。
今回の配信を、読み物として読み流さないように、意識してくださいね。
次回の問題は、明日に配信いたします。お楽しみに!
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